


「Heart to Heart」を作りはじめたのは2010 年。しかし2011 年3 月に震災があり、食べるご飯もない、電気もないっていうのに、「音楽?必要?」って突きつけられたんです。でもすぐに「こんな時だからこそ!」って思い直しました。実際に多くのミュージシャンが様々な活動をし、音楽を通じて、その場しのぎの慰めではなくて、ココロを届ける活動をしている。僕も「心から癒してあげられるような曲を書きたい!」と強く思っています。最初は、アルバムタイトル「Heart to Heart」が示すように"人と人との心のつながり"を中心に作ろうと考えていました。地震直後に人々がお互いに思いやる姿や、離れている家族と繋がる姿から人間同士の心の糸みたいなものを強く感じたんです。 しかし、それ以外にも僕たちの生活がとてももろく、様々な"モノ"にも助けられて生かされているということにも気づいたんです。普段の生活で僕たちは多くの"モノ"に多大なる恩恵を受けている事実があるのにそれに対して、「ありがとう」の一つも言えないのかな?って自身に問いかけました。僕たちの暮らしを便利に支える為に、元々は違う形の"モノ"が、使いやすいように形を変えて生まれてきて、それに対して僕たちはあまりにも感謝をしてこなかったなぁーって。宇宙から見たら、僕たちも地球にある"モノ"の一つでしかないんだって。そう思ったときに、"人と人"だけが心で繋がれば良いんじゃなくて、全ての"モノ"とも心を繋げていくべきではないかと・・・。 例えば何かを大事にしている人の"モノ"が、綺麗で使いやすいのは、手入れが良いからだけではなくて、大事にしている"想い"に対して"モノ"が答えてくれているから。今回の震災での様々な意見を聞いているうちに、人間のことだけを考えていたらダメだなって。「ありがとう」って感謝することに、お金もいらないし道具もいらないので「想えよ!」って自分自身に言ったもん。それを感じたときに、僕がこの先にやるべきことが見えてきたと思いました。だから今感じたその想いを今回のアルバムにも込めてあります。 それと同時に、今回初めて仲間を増やしたいと思いました。昔は、音楽なんて趣向性が高いものだから・・・と思っていましたが今は音楽を通じて多くの人と"想い"を共有したいと思います。こんなにも僕らは、僕ら以外の"モノ"に生かされているんだって気づいたときに、今僕が生きていることは"奇跡"なのだと。ただ単に、神様が暇つぶしに生かてくれているのではなく、何か意味があって生かされているのだと。誰かの死も、それで終わりではなく"何か"を教えてくれるためなのではないか?と。

昨年の震災は多くの悲しみをもたらしたが、同時に今まで見えていなかった"モノ"や"コト"に気づかせてもくれた。そしてそれらが見えたときに、多くの人がそこに希望を見いだしたこともまた事実だ。音楽で想いを伝える「シンガーソングライター」はそんな私たちの気持ちの代弁者であり、道を照らしてくれる先導者でもあるのだろう。そんな我々を導いてくれる存在でもあるマッキーが2012 年にどのような目標を掲げ進んでいくのか、興味深いところだ。
2011 年に感じて、思ったことをこれからも続けるのが2012 年の目標。日本人は悪いクセがあって、それがチャリティであろうが、何であろうが、流行にして終わらせてしまうことが多い。自分自身それは身にしみて感じたので、2011 年の出来事を過去のことにはしないで続けていくことが重要。流行事にして終わらせるには、とてももったいないテーマだと思う。
今僕がすごく嬉しく感じていることが、若い子たちの礼儀。とても礼儀正しいんですよ。「こんにちは、写真とっていいですか?」って聞く人は、みんな若い子達。僕はそこにすごい眩しさと希望を感じています。子供は大人を見て育つので、我々が良い手本となり、正しいことを伝えなくてはならない。個々の人がもっている得意技を使って、どんどん人間同士助け合ってゆく時代になれば良いと思いますね。そんなとき、音楽は強力な武器になります。
僕の夢は、今の自分の死後、来世で生まれ変わった自分が、そうとは知らずに前世の自分が作った曲を聴いて、「へーっ!こんなこと歌っていた人がいたんだー!」って感動させること。ロマンチックでしょ?明治神宮の様に百年先のことを考えて作った杜造りとか、そういうものと同じように。自分の死後も自分の子孫が来て、"ここは綺麗だね"って遊んでもらえる世界を創りたい。そういうことは、全て想像力だと思うんです。想像力が乏しいことが一番淋しいことだと思うので、何でも構わないから、僕は"想像してください"っていつも言っています。想像をふくらませて、本当に自分はどこに行きたいのか、どういう生活をしたいのか、できるだけ細かく。これ結構冗談みたいに聞こえるかもしれませんが、本当にそうなるんですよ。僕は今までそうしてきました。
最後に、マッキーの思い入れの深い表参道で、この「OMOSANSTREET」を手にした読者の皆さんへ、メッセージを頂いた。
表参道は、とても素敵な場所です。表側のキラキラした部分だけでなく、ちょっと路地裏に入ると、下町の様な人情味のある生活が織り成されていて、その相反する2 面があるからより魅力的。僕に言わせると理想の近未来的な街です。そういう目線でいっぱい表参道を歩いて欲しいです。もちろん今回撮影した明治神宮にも足を運んでください。でもお参りする前には、ちゃんと手を清めて、帽子もとって、おじきをして、鳥居をくぐって・・・そういうことが、オシャレなお洋服を買った後や、美味しいものを食べた後に、最先端のアートに触れた後に、普通にできる魅力的な場所なんです、表参道は。そんな魅力にたくさん触れてほしいと思います。 今後もアルバムは、毎年一枚は出していこうと思っているので・・・興味があったら気楽な感じで聴いてください。インタビューの内容だけ聞いていると真面目で抹香臭い感じかな?って思われるかもしれませんが・・・そんな内容のことを、とても面白い恰好で、踊りながら歌っています!みたいな感じです。でも、気の利いたアルバムを作ろうと思っているので、これからも是非聴いて下さい。
サービス精神旺盛な大阪人の気質か?冗談を交えてのインタビューは終始笑いが絶えなかった。饒舌で、ジョークを連発するのは、恐らく彼の照れ隠しでもあるのだろう。照れながらも本音を語ってくれたマッキーの素の姿に、私たちが彼の音楽に惹かれる理由を見つけた気がしたインタビューだった。
