TOPエンターテイメントOmosan Angle vol.25 宇津木えり

Omosan Angle

オモサンアングル -フォトコラム-

オモサンエリアで活躍する
クリエイターのフォトコラムを紹介します。

NEWS TOPICS

はじめての就職…
それは表参道のFROM-1stの、3階からはじまりました。
憧れの表参道、憧れのデザイナーの元に、
れんが創りのボコボコとした一風変ったFROM-1stに、
ドキドキしながら通っていたのを懐かしく思います。

毎朝A5出口から階段を上り、コム・デ・ギャルソン、
向かいにはイッセイ・ミヤケ、そしてヨウジヤマモトのお店の前を通り
会社に行くなんて、とても贅沢な環境でした。

そのうち3階ではなく5階に移動し、5階は今でもメルシーや
エイ・ネットブランドがプレスルームとして使っています。
最近はほとんどFROM-1stには行かないのですが、たまに行くからか?
行った時は懐かしく昔のことを想い出します。
ういういしかった私のことも(笑)

とにかく一生懸命だけれどもついていくのがやっとで、
できない自分によく泣いていました。
と、かっこいい表参道とは真逆なかっこ悪い私。
こんな私にはふさわしくない場所だといつも思っていました。

ところが不思議なことに、まさかFROM-1stに
お店が出せるなんてことになるとは思いもしませんでした。
しかも最初の自分のブランドで。そしてメルシーの時も1号店が表参道。
オープンにはものすごい人達が並んでくれて、
今でも信じられないくらいです。

そういえば、骨董通りにあった、あのパン屋さんは
いつなくなってしまったんだろう?
私達の中で呼んでた「ダサパン」屋さん(笑)
そこの、リンゴパンというのが、リンゴが丸ごと入っていて、
ほぼ毎日食べていたくらい好きでした。
商店街のパン屋さん的な雰囲気なので、失礼ですが
「ダサパン」と呼んでしまっていたのです。
そうゆうのもあった昔の表参道。またリンゴパン食べたいな。
FROM-1stで。あの頃のみんなと。

写真・文/宇津木えり

宇津木えり

ファッションデザイナー

1966年東京に生まれる。1986年 女子美術短期大学 衣服デザイン科卒業後、エスモード・ジャポン東京校入学。1学年修了後、渡仏。パリのステュディオベルソーで1年間学ぶ。帰国後、幾つかの企業で経験を積み、2001年に自身のブランドを立ち上げる。2005年に離れ、同年に株式会社エイ・ネットに入社。翌年の3月に新しい自身のブランド「メルシーボークー、」で東京コレクションでデビュー。その後も毎シーズンコレクションを発表。現在に至る。