オモサン 読書のススメ
青山表参道の本屋さんに聞いた 今おススメの本を厳選して紹介します。


二度楽しめる、映画やドラマの原作本”はこの7冊!
今回は、映画やドラマで話題となったストーリーの基である“原作本”をご紹介。 作品の理解度を深めてくれるだけでなく、映像作品とは異なる結末やストーリーに思わず引き込まれてしまいます。 映画やドラマを観る前に読んでも良し、観た後に読んでも良しの名作ばかりです。
ブリングリング
ナンシー・ジョー・セールズ(著)・高橋 璃子(翻訳) / ハヤカワ文庫 / 882円
ソフィア・コッポラが描く、残酷ではかない少年少女たちの光と陰の青春映画。原作はヴァニティフェア誌の人気記者によるノンフィクション。映画では描かれていないセレブ達の本音、犯人の心の動き、独占インタビューや極秘情報が盛り込まれており、映画をより楽しませてくれます。

わたしを離さないで
カズオ・イシグロ(著)・土屋政雄(翻訳) / ハヤカワepi文庫 / 840円
外界から隔絶された世界で生きる少年少女たちは、”提供者”として”使命”を果たすという悲しい運命を背負っています。唯一無二の自分という存在価値が揺らぐ衝撃的な一冊です。映画では、美しくも異様な世界観がより叙情的に描かれており、原作同様、一気に引き込まれました。

夜のピクニック
恩田陸 / 新潮文庫 / 704円
劇的な事は何もおこりません。夜を徹してただ歩き通す、という高校生活最後のイベントに、それぞれ秘めた思いを抱えて参加する生徒たち。思わせぶりな駆け引き、小さな謎かけ・・・。そのエピソードの一つ一つは切なく感じます。ゴールにたどり着いたとき、思わず胸が熱くなります。

オレたちバブル入行組 オレたち花のバブル組
池井戸 潤 / 文春文庫 / 各690円

ロスジェネの逆襲
池井戸 潤 / ダイヤモンド社 / 1,575円
ドラマの終わり方に、続きが気になった方も多いのではないでしょうか。先にドラマを観て俳優を想像して読んでも、先に原作を読んで心情を察しながら観ても、どちらでも楽しめます。立場が変わっても相手が誰であっても、正しいことを正しいと言い戦っていく主人公に胸がすく思いです。

桐島、部活やめるってよ
朝井リョウ / 集英社文庫 / 500円
直木賞作家、朝井リョウのデビュー作にして、映画化された作品。生徒たちの内面、人間関係、学校生活が、文章と映像それぞれの表現で丁寧に描かれており、その違いを楽しめます。誰しもが経験する学生時代の、得体のしれない不安感や高揚感を原作と映画で二倍味わうことができます。

思春期病棟の少女たち
スザンナ ケイセン(著)・吉田 利子(翻訳) / 草思社文庫 / 840円
ウィノナ・ライダー主演映画『17歳のカルテ』の原作。映画では、アンジェリーナ・ジョリー演じるリサをはじめ、精神病院で生活する少女たちのキャラクターが印象的です。原作では、映画では語られなかった病院のスタッフのことなども多く、それらも映画同様に胸を締め付けられます。

凶悪―ある死刑囚の告発
「新潮45」編集部 / 新潮文庫 / 580円
雑誌記者が追い詰めていく凶悪な事件の全貌。元ヤクザの死刑囚と、先生と呼ばれる男。三人の関係性は、まとわりつくように徐々に絡み合っていきます。主役三人の演技がまた素晴らしい。原作のノンフィクションにはわずかな希望を感じましたが、映画では見事に闇に沈められています。