オモサン 読書のススメ
青山表参道の本屋さんに聞いた 今おススメの本を厳選して紹介します。
“胸が熱くなるノンフィクション”はこの7冊!
読書の秋真っ只中の今回は、十人十色の生き様に心揺さぶられる“ノンフィクション”をご紹介。 著者の経験や感性、人生観に基づくリアルストーリーだからこそ、感情移入しやすいし共感を覚える事が見つかりそう。 今を生きるヒント満載の言葉は、明日への活力になることでしょう。木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田俊也 / 新潮社 / 2,730円
穏やかではないタイトルがついている本書は著者が、1993年、木村政彦が逝った際、すべてのマスコミが「力道山に負けた男」と報じたことに反論するために、18年もの歳月をかけ書きあげたものです。登場人物たちにはもちろん戦後日本スポーツ史上最大の謎に迫る著者の熱さにもしびれます。
服を作る-モードを超えて
山本耀司・宮智泉 / 中央公論新社 / 1,575円
ファッションデザイナー・山本耀司が自身を語っている本書。少年時代のエピソードや交友関係が書かれているほか、100の質問に対する答えも収録。発言の端々に、服への情熱がこめられており、それが本書の帯の言葉「命と引き換えにものを作っている。」につながっています。
成りあがり How to be BIG-矢沢永吉激論集
矢沢永吉 / 角川文庫 / 540円
強い思いを胸に抱きスーパースターを目指した子供時代からYAZAWAになるまでの半生が、飾らない言葉で語られています。語る内容に半端な感情は一切なく、喜怒哀楽のすべてが、心の底からあふれ出ていて、夢を掴むまでのハングリーでストイックな精神に熱い男気を感じます。
調理場という戦場
斉須政雄 / 幻冬舎文庫 / 630円
フランス料理人・斉須政雄をご存知でしょうか。1973年、単身フランスに渡り、12年間の過酷な修行を経て帰国。年を重ねた現在も、料理に対する熱い想いは健在です。そのまっすぐな姿は、料理人にとどまらず、日々働くすべての人々に勇気を与えてくれることでしょう。
「黄金のバンタム」を破った男
百田尚樹 / PHP文芸文庫 / 700円
敗戦から立ち直ろうとしている日本に希望の光を灯した男、ファイティング原田。本書は世界で8人しかいないチャンピオンの座に食い込んでいく彼の姿と共に、同世代のボクサー達の人生や当時の状況が生き生きと描かれています。ボクシングを全く知らない人が読んでも、胸が熱くなる傑作です。
センチメンタルな旅・冬の旅
荒木経惟 / 新潮社 / 3,150円
写真家・荒木経惟さんと妻・陽子さんの愛の記録。初々しい新婚旅行の写真「センチメンタルな旅」と、陽子さんの死を見つめた写真「冬の旅」から成る本書は、撮る側・撮られる側の愛が惜しみなく表れています。だからこそ、ページが進むにつれて、心が熱く痛くなってしまうのです。
すごい人のすごい話
荒俣宏 / イースト・プレス / 1,680円
博学な荒俣宏がすごいと思っている15人との歓談集。「渋滞学」や「ハゲ予防」、「演歌の真髄」などの過去・現在・未来を専門家が熱く語っています。ユーモアたっぷりに書かれているので、軽いエッセイのように楽しく読めます。ものすごい量の知識と、未来への希望も詰まっている濃厚な1冊。