オモサン 読書のススメ
青山表参道の本屋さんに聞いた 今おススメの本を厳選して紹介します。
“涙なしでは語れない、これがわたしの涙活本”はこの7冊!
嬉しいとき、悲しいとき、辛いとき、感動したとき・・・。人の一生には、あらゆるシーンで、 様々な想いの一筋の涙があるはずです。今回は、思わず心揺さぶられる、涙なしでは読むことができない、語れない“涙活本”をご紹介。 溢れ出す涙と共に、今を生きるヒントにも出会えるでしょう。ノラや
内田百閒/ちくま文庫/1,050円
住みついた野良猫をノラと名づけ可愛がる百閒。一年後ノラは突如失踪。待てど暮らせどノラは戻らず、街中を昼夜探しても見つからない。折込広告を懸賞付きで打っても手がかりなし。滂沱の涙、激しい嗚咽・・・。百閒老人の凄絶なまでの悲哀に、読者もまた涙を禁じえません。
結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日
益田ミリ/幻冬舎文庫/480円
日々小さなことに幻滅したり喜んだり怒ったり凹んだり笑ったり希望を持ったりしています。それだけなのに、じんとくる本です。母が“結婚しなくていいですよ”に書き換えて、実家から送ってくれました。悩んでいる友達に送って勇気づけてあげましょう。
リンさんの小さな子
フィリップ・クローデル/みすず書房/1,890円
戦争で祖国を追われたリンさんは、孫娘の赤ん坊を抱いてある街に辿り着く。そこで出会った一人の大男、バルク。2人の言葉を超えた友情と共感の物語。静かでシンプルな文章が、より強く意味をもって、心に響きます。結末には涙が止まりませんでした。
とっぴんぱらりの風太郎
万城目学/文藝春秋/1,995円
主人公は、ぼんくらな日々をおくるニート忍者。1個のひょうたんとの出会いがきっかけで、人生が動き出す。天下は豊臣から徳川へ。1人対10万人の戦い。主人公とその仲間たちの生き様と決断に感情をぐっと揺さぶられます。
ハーモニー
伊藤計劃/ハヤカワ文庫/756円
SF作品である伊藤計劃の『ハーモニー』は、精神や身体に関しての悪影響が一切に排除された世界が舞台になっています。虚構で作られた完全な調和と、それに対する現実のやるせなさに感動しました。ロジカルな内容ですが、著者自身の切実な現実を反映していて感情を起こされます。
僕が逝った日
ミシェル・ロスタン/白水社/2,100円
物悲しいタイトルと目に焼きつく表紙のカバー写真。それを裏切ることのない、とても悲しい父と子の話。若くして死を迎えるということ、そしてその死を受け入れるということ。経験したことのない話で、どうして涙が出てくるのだろう。あなたも想像してみてください。
星の王子様
サン・テグジュペリ/新潮文庫/500円
小惑星を飛び出した小さな王子さまは、あちこちを旅し、やがて地球に辿り着きます。そして、キツネやバラたちとの出会いを通し、「決して目には見えない大切なこと」に気付くのです。とうの昔に忘れてしまった気持ちを思い出させてくれる、大人にこそ読んで欲しい1冊です。