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Special Guest

スペシャルゲスト

Vol.31 Special Interview Always Beautiful Days MIREI KIRITANI

Always Beautiful Days MIREI KIRITANI

Photo:Tomokazu Sasaki (nomadica) / Hair &Make up:Ai Inuki / Styling:Chiharu Dodo

So Many Happy Faces

「私、同世代の“女子―ズ”と本当、変わらないですよ。普通にお買い物しているし、カフェとかにも普通に入ってお茶するし、何も変わらないです。世の中の女子と。
おしゃれも恋も美味しいものも食べて、笑顔で元気にいれたら女子としてはとても魅力的ですよね。」

そう語るのは、女優、モデル、キャスターとマルチに活躍する、桐谷美玲24歳。男性はもちろん、同世代の女子ファンは特に多く、彼女の魅力を物語っている。
朝から分刻みに撮影と取材が続いたインタビュー当日、華奢な体で疲れも見せず、変わらぬテンションで丁寧に答えてくれた。桐谷美玲、本人が語るように彼女は一見、世の中の同世代の“女子”のように無邪気に話す。
しかし、カメラの前に立つと一瞬にしてその空気は変わる。女優の桐谷美玲だ。彼女が放つ、柔らかさの中にも常に存在する凛としたパワー。桐谷美玲が放つその魅力を独占取材した。

「まさか自分が芸能界に入るとは思ってもいなかったです。スカウトされた時は高校に入ったばかりだったので、普通に大学に行って就職すると思っていました。だからお話しをいただいた時は、やる気はなかったですね。
そもそも事務所に所属するまでに半年ぐらい悩みましたし。まずは“芸能界のお仕事って何だろう?”という所で、とりあえずやってみようか…って。
先輩の女優 内山理名さんの撮影を見学させていただいて、“凄くキラキラしているんだなー!”とビックリしたんです。で、こういうチャンスがあるんだったら、とりあえず分からないで断るよりちょっと1年やってみてから決めようと。
そう思ってから、今、ここにいるという。デビューして8年です。とりあえず1年が、8年。社会人でしたら、8年はもう中堅ですよね。」

その8年の間には、高校・大学に通いながら、学業と仕事の両立があった。その大変な時も、仕事と関係ない所で普通に24歳の女子としていられる時間が作れたことが嬉しかったと言う。
その“普通”でいることは仕事を忘れ楽しむことだけでなく、結果、女優 桐谷美玲であるために必要と感じていたのではないだろうか。

MIREI KIRITANI

「最初は何をするにも緊張しちゃって、自分らしさというのも分からないまま、ずっとやっていて、モデルもそうですし、女優の時も特にそうなんですけど。楽しむ事がまったく出来なかったんです。
楽しめるようになったのは、お芝居の中で言うと、『ジーン•ワルツ』と言う映画の時に凄く大変ではあったはずなんですけど、周りの方々、先輩方が助けてくださったり、アドバイスをくださったりしてその現場がとても楽しかったんです。それで、初めて“あ、楽しいな”って思ったんです。
その辺から“楽しまなきゃいけないんだな”と思うようになって、努力とは違うかもしれないですけど、1つ1つの現場を楽しんで、自分なりに楽しい所を見つけて、その中で自分のできる精一杯をやろうと心がけています。
もちろん、凄く落ち込むこともあります。そんな時は、母に電話したり(笑)。普通に聞いてくれるのですが、最後は“まぁ頑張りなさいよ”って、背中を押してくれて。最初は自分の知らない所で、知らない人が有ること無いこと言ったりするのを知って高校時代は気にしていたこともありましたが、もう気にしてもしょうがないと思うようになりました。
友達からも“あなたの事を知らない人の言葉なんかより、きちんと分かってくれる人がいれば良いんだよ”と言ってもらって救われましたね。それから、だんだんうわさ話は気にならなくなりましたね。」

普段はのんびり、おっとりした彼女の性格は、やはりこの芸能の世界には大事な要素なのだろう。
切り替えが早く、流されないハートの強さ。デビュー当時の話からもかいま見られる。

「女優の仕事で、台本を読むと“面白いな”とか“挑戦の役だな”とか、興味が湧いてきます。私はあんまり役を引きずったりするタイプではないと思うんです。なので、その時その時で現場の雰囲気だったりとか、監督と話し合ったりとかしながら少しずつ役を作っていきます。
その役の人柄を想像しながら。“こういう子いるよなぁ”と思ったりとか、自分の似ている所を探す時もありますし、自分の友達に似ている人っていうのを見つけてきたりとかもあります。
公開されている映画『女子―ズ』での私の役は、レッドというリーダー役でしたがマジメで責任感が強いキャラクター。タイプとしては私も一度決めたことは最後まで一生懸命やりたいと思う方なので似ているところがありましたね。
この作品はイマドキ女子の戦隊ヒーロー。とにかく“イマドキ女子のあるある”が面白く描かれていて、オファーをいただいた時は正直“何だ、これは?”どう映像にするのかと思いました(笑)。
福田雄一監督とは以前、ご一緒したことがありましたが、また一緒にお仕事が出来て嬉しかったのと、女子で戦隊ヒーローになれることに喜びを感じました(笑)。」

MIREI KIRITANI

『勇者ヨシヒコ』シリーズや『コドモ警察』などゆるい独特なコメディ感覚で、人気を集める福田雄一が監督・脚本を務めている女子戦隊ヒーロー映画『女子―ズ』に出演した桐谷美玲。
自身がイマドキの女子という等身大の設定を、彼女はまた楽しんで演じた。

「私も大学の時の女友達って5人で仲良しなんですが、やはりなかなか揃わないんですよね。本当バラバラで、ちょっとした予定で“美容室に行く予定がある”とかで予定がなかなか揃わなかったり。来ないから電話したら“あ、寝てた〜”とかもありますし(笑)。
世界征服を企む邪悪な怪人を倒すため、名字に色が入っているという理由だけで集められた5人の女子たちが、恋や仕事、ヤボ用の片手間に悪と戦うお話しですが、その5人の女子が本当にイマドキで。
全員で発動する必殺技は、肝心なときに5人が揃うことがなかったり(笑)。女子って、何だろう?なんか少しずつみんなが“みんながやってくれるからいいや”と思っているような所ってありますよね。“誰かがやるでしょ!”みたいな(笑)。
無理して戦わない感じとか。自分のちょっとした用を優先したりとか。」

等身大のイマドキ女子キャラクターを演じるとは言え、冷静に“イマドキ女子”を分析している。
コメディも時代劇も、どんなジャンルの役であろうが、役に向き合う桐谷美玲は、先入観をもたず素直な視点でそのキャラクターを見つめている。だからこそ、観るたび、その役柄が生きているかのように映るのだ。
そして素直にこう語った。

「この映画でコメディの経験が出来たということは凄く良かったなと思っています。面白い台詞とか、とにかく思い切りやった方がいいのだなというのは凄く感じました。躊躇して恥ずかしがってやっていたら上手くいかないので。恥を捨てるというか、自分をさらけ出すというか。レッドの決めポーズも家の鏡で、何度も練習しました(笑)。
本当に女子あるあるがいっぱいあるので、女性が観ても男性が観ても楽しめます。“笑いに行こうか”みたいなノリで、リラックスして観て欲しいですね。」

今回の映画でコメディの世界を楽しんだからこそのメッセージだ。