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Special Guest

スペシャルゲスト

Vol.32 Celebrities SO TAKEI KING OF BEASTS

SO TAKEI KING OF BEASTS

小学5年で気づいた、スポーツ上達の理論

子供の頃からスポーツやかけっことかで負けたくなくて、トレーニング理論じゃないですけど、そういうものを自分で考えるのが趣味でした。それはテレビでも何度かお話しした事もありますが、スポーツ自体の練習をするよりも先に、まずは自分の身体を思った通りに動かす練習をすべきだというもの。

この考えに辿り着いたのは、小学5年生の時。
校庭でラケット野球をやっていた時、全打席ホームランを打とうと思っていたのに、全打席ホームランが打てない。
それが不思議だったんです。「ホームランを打ちたいと思っているのに何で打てないんだろう?」 その理由がさっぱり分からなくて。
例えば、お水が置いてあってこれを飲みたいと思って飲めなかった事なんて一度も無いですよね?
「水を飲みたいと思って飲むことは出来るのに、何でホームランを打ちたい欲求は叶わないんだろう?」と感じたのがきっかけでした。「打ちたい」、「飲みたい」同じ欲求なのに、打つことだけ出来ないのは何故だろう?
その理由を本で調べても書いてないし、誰に聞いても答えが分からなくて、色んな先生に聞くと、『それは練習不足だからだよ』と言われる。でも練習しても全打席ホームランは打てない。それに何の練習をすれば打てるようになるのかもはっきりは分からなかった。
スポーツだとそういう事が多いですよね、サッカーで球を蹴ったら思っていた所に飛んで行かないとか。

そんな時に父親がビデオカメラを買ってきて、僕の事を撮りだしたんです。
僕がキャッチボールしたり、バットを振ったりしているのをビデオで見せられた時に、全身が痺れるような衝撃が走りました。自分の頭の中では好きな西武ライオンズ選手の物真似をしてキャッチボールしていたつもりだったのに、ビデオを見てみたら全然違う動きをしていました。頭の中の自分と本物の僕の姿が全然違ったんです。それで「あ、そういう事か!」と気付いたんです。自分は、思った通りにやっている“つもり”なだけで、出来ていないんだと。
自分の身体を思い通りに動かせていないのに複雑なスポーツの技術練習をしても上達するわけがありませんよね。その日からとにかく頭の中で動く自分と実際に動く自分の身体の動きを一致させるためのトレーニングを開始しました。

自分の能力を活かせる、十種競技。

小学5年で気づいた、このイメージ通りに身体を動かすためのトレーニングとして、一番初めにやったのが腕を真横に上げるということ。目をつぶって鏡の前で試してみたら、これもまた衝撃的で。じーっとしてただ腕を真横に上げるっていう事が出来ない訳です。
「これはひどいな、スポーツやっている場合じゃないな」と思いましたね。大学に入るまでひたすら身体の形を思い通りにコントロールすること、さらには運動がどんな力の使い方で行われているのかを研究したり、物理や力学を学びました。
そうして手に入れた能力が今の僕の基礎となっていて、どんなスポーツの技術を見ても、どうしたらいいのか、またどんなトレーニングをしたら記録が伸びるのか理解できるようになっていきました。
大学に入って、その理論、手に入れた能力を実証したくて、陸上部に入り、最も難しいと言われている種目でタイトルを取ろうと決めました。
それで選んだのが十種競技、この十種競技は技術的な要素が多く、難しいと思われがちですが、僕にとってスポーツの技術は全部一緒なんです。頭で思った事ができれば、どんな技術もできますよね?僕はその頭で思った事をその通りできるトレーニングをしていたので、初めてやるスポーツでも、今までトレーニングしてきた技術が活かせるんです。
技術をすぐ修得できるから技術練習に時間がかからない。時間がかからないから疲れない、疲れないから早く回復できる、元気だからフィジカルトレーニングも多くできる、強くなったフィジカルで思い通りに動けるから毎試合自己ベストが出る。そういう能力を一番活かせるのは十種競技だったんですね。

東京オリンピックが一番の目標ではない。

僕にとってスポーツは、遊び以外の何物でもないんです。基本スポーツは全部遊び。楽しく遊んでいてそれがお仕事になったりする便利な世の中に、たまたま生まれさせてもらっただけでもう最高ですよね。ありがたい世の中です。
よくオリンピックについて聞かれますが、せっかく自分の生まれた街で、自分が生きているうちに、しかも自分の身体が元気に動くうちに開催されるっていうのはチャンスだから、2020年東京オリンピックに出られたら最高だな、楽しいだろうなとは思います。まだ6年あるから全方位的に何の種目でも可能性があると思うので。
ただ東京オリンピックが一番の目標というわけではないんです。目標を作る事自体あんまり好きじゃない、だって僕が今日目標を立てても、一週間後の僕はもうちょっと良い目標立てているはずだから。
僕は毎日1つ成長する事をテーマにしているんです、たいした事ではなく、本当に誰でもしていると思いますが、例えば知らない事を1個調べるだけでも成長だと思いますし、知らない人と1人知り合うだけでも成長だと思うし。何でもプラス1があれば、今までの僕に無いものが加わればそれが成長だと思うんです。
そして、それをずっと続けるっていう事が今の目標。“毎日自分史上最高”っていうのがテーマです。それしかないですね。

SO TAKEI

毎日成長する事。小さい目標はテーマにしない。

スポーツを目指していた僕が、芸能界でこういう場所に辿り着けたっていう事が示しているように、人間の道なんて思った通りに行かなきゃつまんないって事はないと思うんです。意外と思った通りじゃない事の方が楽しかったり、何かワクワクしたりね。
多分6年後の僕は今よりももっと色んな事を考えているはずだし、もっと沢山の事を楽しめる自分になっていると思うので、もしかしたら全くスポーツとは関係ない所で生きている可能性もゼロじゃない。
もしかしたら絵を描いているかもしれないし、もしかしたら役者をやっているかもしれないし、もしかしたらどこか海外行って何かもっと違う仕事をしているかもしれない。分からない毎日の中で1つだけ確実に出来るのは、やっぱり毎日成長するっていう事だけだと思います。毎日成長した結果辿り着く場所は、僕はどこでも良いと思っています。
だから何度も言いますが僕にとっては、オリンピックとかその時々の目標は自分のメインテーマじゃないんです。あくまでも目標は毎日成長すること。成長した自分が6年後オリンピックに出られる自分になっていたら最高だし、もしかしたら他の分野でもっと素晴らしい舞台が待っているかもしれない、そんな楽しみを全て自分のテーマにしていきたいですね。

沢山の人が見て喜ぶことで、価値は生まれる。

僕は昔街中をみんなでダッシュして元気になろう!というテーマで活動していた「ダッシュマンクラブ」をやっていたので、表参道では坂ダッシュをよくしていました。映像にも残っていますけど、表参道ヒルズの辺りで、日本代表の陸上選手とかと一緒にダッシュした事もあるんです(笑)。逆側の南国酒家の辺りも、ちょうど良い坂なので、ダッシュしていましたね。
だから表参道は、僕の走力の糧になった場所でもあるので、すごい思い入れのある場所です。食事もよく行ったし、お洋服もよく買いに行きます。今は六本木とかその辺を走ったりしていますけど、あの辺も24時間人が楽しみに来る場所だから僕にはすごく精神的にも支えになる事が多いです。

先ほども話しましたが、スポーツって遊びじゃないですか。でも遊びが何か価値を持つとしたら、沢山の人が見て喜ぶ事だと思うんです。どんな能力を持っていても、どんな実力ある人でも、部屋の中で、一人でスポーツをやっていたのでは何の価値ない。見る人がいて、喜ぶ事がなければ成立しないですよね。
だから僕には2年前まではあまり価値がなかった、でも芸能界に入って、今では沢山の人がテレビを見て応援してくれて、自分の中に貯めてきた力がはじめて価値になった。お仕事になりだしたし、人が求めてくれるようになって、色んな人が喜んでくれて。
これまで自分が楽しむためだけにやってきたスポーツ人間が、今ではスポーツの力で人を喜ばすことが出来る。人に見てもらうと何でもなかった力を勝手に魅力に変えていただいているんですよね。輝きだすというか、人に見てもらうと、一つ魅力をいただいているという事だと思うんですよね。だから魅力は自分から生まれるモノじゃなくて、見てくれた人がくださるものだと僕は思っています。

僕が憧れたタレントさん達が、人前に出るだけで沢山の人を笑顔にしてしまう力。あれは魔法なんです。僕は、これからもその魔法を使える魔法使いを目指して頑張りたいと思います。
でも、もしかしたら僕を有名にしてくれた皆さんが魔法使いなのかもしれませんね。感謝しています。

武井壮
陸上競技・十種競技元日本チャンピオン、肉体派のアスリートタレントとして活動、「百獣の王」を目指している。
大学時代に短距離走を始め、神戸学院大学3年時に十種競技へ転向する。
卒業後、オファーをもらっていた中央学院大学に進学。
24歳の時、第81回日本陸上競技選手権大会男子十種競技で優勝。この時の100m走の自己記録である10秒54は日本の十種競技において2013年時点でも破られていない。
また台湾プロ野球リーグ・中国信託ホエールズの冬季キャンプ特別コーチ、スポーツトレーナーを経て、2003年芸能活動を始める。
テレビでブレイクしたのはライオン、ワニ、ゴリラ、カンガルー、ワシ、ゾウなどあらゆる動物と戦っても勝てるためのシミュレーションを披露したフジテレビのバラエティ『うもれびと』がきっかけ。

武井壮