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Special Guest

スペシャルゲスト

Vol.36 Special Interview On The Stage AYA UETO

On The Main Stage AYA UETO

Photo: Tomokazu Sasaki(nomadica) / Photo Manipulator: Satoshi Ozawa ,Rika Imai(FIGHT CLUB CO.,LTD) /
Hair & Make up: Keiko Nakatani(AVGVST) / Styling: Masumi Miyazaki(likkle more)

「さぁ、今日はどんどん行きますよ!」

都内某スタジオ、朝10:00。セッティングされたカメラ前に、誰よりも元気に現れたその声の主は、女優 上戸彩。
彼女の一言で、スタジオの空気は一気に明るくなり、気合いが入る。その一言から、上戸彩の仕事に対する姿勢はすでに伝わってきていた。テレビをつければ、上戸彩を観ない日はない、観ない時間帯はない、そして街へ出れば、上戸彩の広告を、彼女の顔に出会わない日はないのではないだろうか。今年、不動のCM女王として話題になるほど好感度は文句なく高い。毎年、映画、ドラマでムーブメントになる作品のヒロインとして登場する。
国民的美少女コンテストの審査員特別賞受賞がデビューのきっかけとなった上戸彩は、今年でキャリア15年目。まさに、国民的女優だ。こんなにも華奢な体で、想像も出来ないほどのスケジュールをやってきた彼女。上戸彩をここまで突き動かすエネルギーは何なのか。“自分に嘘をつきたくない”そう語る上戸彩の独占インタビュー。
現代人が忘れかけているかもしれない、大切なことを教えてくれるようなメッセージがそこにはあった。

「もう何でも大丈夫。色々経験したので。正直もう、これ以上ないかなというほどの経験をさせていただき、でもどうにか倒れずにやってこられました。極寒の川にも入ったし、もう怖いものはないです。(笑)」

今年で女優デビュー15年の感想を、そう話しはじめてくれた上戸彩。「もう何でも大丈夫。」その最初の一言は、本当に力強く聞こえた。強がることもない、でも、疲れ果てるわけでもない、とにかく我々には計り知れない経験をしてきたことが伝わってきた。そして、これ以上ないかというほどの経験をしてきた中で、最も苦労した点を聞いてみた。

「いっぱいありますね。いっぱいあるけれども、作品が重なったりすることが本当に精神的には苦しかったです。」

包み隠さず答える彼女に、精神的なバランスを取るためにやってきたことを聞いてみた。

「後ろを振り返る時間もなく、今を感じる時間もなく、とりあえず前に進むしかなかったですね。お仕事に、穴を空けられないですし、とにかく毎日を必死に生きている感じとでも言うのでしょうか。そんな時、何で乗り越えられたのでしょうね?どうやって乗り越えようなど考えている時間もないんですよ。とにかく、目の前にある仕事に向き合う。“おはようございます”があったら、“お疲れ様でした”というところまでやり抜かなければ、終わらない環境。いくつものスタジオをバッタバッタと行ったり来たりというのを結構毎日やっていましたから。」

今を感じる時間なんていう余裕すらなく、仕事から仕事へと全力で向き合い続ける自分を客観的に観ることをしたらお終いと思うほどの状況。冒頭に15年を振り返った言葉、「もう何でも大丈夫」と言った言葉の力強さは、こういった経験がなければ語れないことだろう。体力的にも、精神的にも、不安に思う余裕すらない状況もありながら、15年。彼女の仕事をやり切る、その一番の原動力とは何だったのかと尋ねた。

「家族だったかもしれないですね。家族からの支えと言うよりも、お家を買いたかったのです。
母にお家を買ってあげたいという夢、その一心だったのです。」

十代の頃から、その夢を持ち、実現するために、ひたすら全力で仕事をしてきた。

「念願のお家を建ててプレゼントしても、住んでみると気づく色々な改善点があるんですよね(笑)。もうちょっとこうしたいなとか、色々出てくるんです(笑)。母は、お家を大切に思ってくれていて。」

On The Main Stage AYA UETO

本当に、家族への愛が深い。十代でそう思って頑張り続けてこられた上戸彩の原動力、それは娘の彼女が母親を思う愛情そのものだ。家族が一番、まっすぐにその愛を語ってくれた上戸彩は、4月16日スタートの連続ドラマ『アイムホーム』(テレビ朝日系)で、木村拓哉と夫婦役として初共演。昨年も上戸彩のドラマは、スマッシュヒットとなり世の女性をとりこにした。そして今年も、注目を集めるドラマのヒロインに決まる。

「今回は“仮面妻”、木村拓哉さん演じる夫から、妻の私は“仮面”をつけて見える妻という非常にユニークな役どころです。原作を読ませていただいた時に、顔が出てこないところが面白く、是非やらせて頂きたいと直ぐに思いました。私はもう最初から最後まで仮面をかぶっていたい気持ちなんですよね(笑)。
そして、せっかく木村さんとお芝居出来るので、空気感だったり、目でお芝居をしたいなって思っています。」

新しいドラマに向き合う彼女の姿勢は、ワクワクする思いと良い緊張感が伝わってくる。
そして、ドラマのタイトルである“アイムホーム”、“ただいま”と言える理想の家族のあり方について、このドラマを通じて感じることを聞いてみると、彼女らしさを感じる温かい答えが帰ってきた。

「誰かが居るお家に帰れるのって、良いなって思います。私はずっと団地に住んでいたので。団地って“あっウチ電気ついている”とわかりながら帰ったり。家に帰るまでの間、“あっ今日ここのウチはカレーだ”とか。そういうのが凄く感じられるところが団地ならではで、家族を感じる光景です。やっぱり幼い頃住んでいた団地が一番好きなんですよね。私にとっては、帰る家という印象。だから家のCMとかも凄く好きだし(笑)。“アイムホーム”は家族を感じられるような、そんなドラマにしたいと思います。」