TOPスペシャルゲスト > vol.37-1 北川景子インタビュー

Special Guest

スペシャルゲスト

Vol.37 Special Interview Shining Energy KEIKO KITAGAWA

Shining Energy KEIKO KITAGAWA

Photo: Satoshi Miyazawa(D-cord management) / Photo Manipulator: Satoshi Ozawa ,Rika Imai(FIGHT CLUB CO.,LTD) /
Hair & Make up: Rie Aoyama(nude) / Styling: Keiko Miyazawa(D-cord management)

Natural attitude

今回、Omosan STREETのカバーを飾る、女優北川景子。
彼女のそのまなざしから溢れ伝わるもの、感じるものそのものが、まさに北川景子だった。
インタビューでまっすぐにこたえてくれる言葉にも、彼女の“今”、そして“生き方”が伝わって来る。
そう、これまでドラマや映画の話題作のヒロインとしての北川景子が、印象的だ。
でも、今の彼女は、違う。“全力で”“命を燃やしながら作り上げる”そんな、ゆるぎない言葉が溢れ出てくるほど。

7月からスタートの『探偵の探偵』(フジテレビ系列)で、初のフジテレビドラマ主演を務める北川景子の今は、眩しいくらいのエナジーに満ち溢れていた。

「最近は、走ったり、負荷をかけて筋肉をつけたり、ちゃんと動かせる筋肉になるように、毎日、プロテインとアミノ酸を飲んでいるんです。体脂肪は減ったのに、体重は増え、筋肉が増えました。だいぶ男らしい肉体を手に入れたのが、凄く自信に繋がっていると思います。」

そうハッキリとこたえる北川景子。彼女がフジテレビドラマ初主演を務める役柄は、まさに精神的にも肉体的にも、屈強。
計1000万部以上の売上を誇る松岡圭祐が書き下ろす、昨年11月に出たばかりの最新シリーズ『探偵の探偵』(講談社)が、主演ドラマの原作だ。
北川が演じる主人公は、亡き妹のために命がけで探偵を探偵する。実妹の死にまつわる残酷な過去をきっかけに、感情を閉じ込め、変貌し、妹を死に追いやった悪徳探偵を探し出す本格アクション満載のサスペンスなのだ。

「心もカラダも、役と作品に捧げてやっている」と言った言葉どおり、撮影のアクションは想像を絶する。

「私が演じる玲奈は、アメリカのヒーローものみたいに、ただ強いとかではなく、結構やられるんです。
やられて、やられて、普通、死んでるでしょというくらいやられた後に、それでもやっぱりこう妹の仇討ちという気持ちで、立ち上がるんですよ。そのとことんやられてからの立ち上がりとかも、このドラマの見せ場になってくるので、クランクインの1ヶ月半ほど前から、アクションの練習を始めました。
頻繁にやっている時は2、3日に一回ぐらい。その時も基本的に殴られた時のリアクションとか、蹴られた時のリアクションとか、いかに痛そうに見えるかとか、そういうのも気をつけながら練習していました。
練習がない時でも、毎日家かジムでやっていたので、本番に合わせて、自分を調整することが出来ました。ただ、やっぱり、朝から夜の7時とかまで、ずっとアクションをしているので体力との戦いになってきます。」

Shining Energy KEIKO KITAGAWA

全てを捧げて挑む姿は、もう言うまでもないことがわかる。
北川景子が役のために、命を投げうるほどのこのドラマの役には、彼女自身、共通する部分があると言う。

「私が演じる玲奈は、決して泣き寝入りってしないんですよね。相手が変質者だろうが、おかしい人だろうが。
何かしら理由があって殺人に至ろうがそんなこと関係なく、自分の妹が死に追い込まれたというのは、許せないことであって、絶対に悪いことを許さないということ。そこがとても共感出来て、自分に似ている部分です。
普通だったらもう最初から無理そうだなって思って諦めるようなことでも、絶対に諦めないということ。そして、絶対に動じないということ。そこは、私もそうだと100%言い切るのはちょっとおこがましいのですが、そうありたいなと思っている姿です。
私も何があっても絶対動じたくないです。
今まで仕事をさせていただいた中で、辛いと思った仕事もあったり、自分の能力よりも、もっと凄い仕事をいただいたかなと思った時もありましたが、“ピンチはチャンス”だと思ってやってきました。絶対に諦めてこなかった。
誰に何と言われても、自分の信じたこと、自分が思ったことが、自分のやるべきこと。進む道だと思ってやって来ています。
ドラマの主人公もそうですが、私も自分がそう信じたら、その時はそれが答えなんだという考えを持っています。それが凄く自分と似ているところですね。
もしかしたらあつくなりすぎて、違う方向に進んだことも私自身振り返ってみればあるし、若気の至りでやりすぎたこともあるけれども、その時そう考えて行動したことに、私は全然後悔はしません。
その時の自分を信じて、全力投球で進んでいきますね。」

Shining Energy KEIKO KITAGAWA

本誌のカバーで魅せてくれた、北川景子のまなざしは、自分を信じる強さが表れているのだろう。そして、さらに全力投球することが、充実していると目を輝かせて話してくれた。

「今、この作品を演じている自分がとても好きで、この役をやらせて頂いている状況も凄い気に入っています。多分デビューしてからお芝居を始めて、今が一番楽しい時。
これまで、自分ではこの役に共感出来ないなぁと思う役も演じたことはもちろんありますし、難しくて壁に打ち当たったことも沢山あるけれど、今は何のストレスもないです。
今は、一番恵まれています。
主演だということも本当に嬉しいですし、自分が作品の頂点に立って、みんなを引っ張っているという状況が嬉しいです。スポットライトを浴びさせて頂いている分、課せられている責任も大きいですけれども、それもまた嬉しいです。責任を感じながら出来る仕事なので。」

主演のプレッシャーを感じさせないほど、自分の置かれている責任、立場に感謝して、楽しんでいる北川景子。彼女の潔い仕事への姿勢は、聞いているだけで気持ちが良い。
さらに連続ドラマについて、数々のヒロインを経験しながら、主演を務める役者から多くを学んだと語る。

「主演の方は、全てを背負ってプレッシャーがありながら、それを乗り越えてやってこられる。ヒロインを演じながら、一番側で主演のその姿を見てきました。長く愛されるドラマこそ、求められるものは高いですし、いつだって前作を超えるものを作ろう、最高の作品にしようと思ってやって来ている。
これまでを超えるということは、産みの苦しみはあり、だからこそ連続ドラマはやっぱり命燃やしてやっているのです。
今回のドラマでも、まずは1カット、1カットを全力でやっていく。自分も命を燃やせたら良いなと思っています。」

北川景子は昨年の夏シーズン2として劇的なカムバックをした、伝説の連続ドラマ『HERO』に出演したのは記憶に新しい。その話題となったドラマがこの夏、映画となって新たなる伝説が始まる。
昨年のドラマ、そして映画、歴史ある『HERO』についても、溢れる思いを語り出した。

「この『HERO』っていう作品は、もう14年前の『HERO』からずっと木村拓哉さん演じる、久利生さんを中心とした城西支部が、連ドラ、スペシャルドラマ、映画でも、毎回一つの事件についてまっすぐ戦っていくというところが見所のストーリーですが、今回の映画では、松たか子さん演じる、雨宮さんが城西支部に戻ってきて、みんなが、えっ?ってなるシーンがあるんですけれども、そこが、私と濱田岳くんは、中学生の時にテレビで観ていた『HERO』が目の前で起こった状態だったので、凄い感動して。
またバーのシーンで、全員が揃っているシーンがあるのですが、凄い豪華だなぁって思いながら、この『HERO』の中に自分がいるんだというのが改めて凄いなと思いました。
全員が揃った時の『HERO』チームのパワーってこんなに凄いんだっていう。」

嬉しそうに現場の話をした。そして、彼女が『HERO』で演じる役では、男性社会の中で頑張る事務官。
検事を目指すのは並大抵の努力だけでは難しい。そんな役所についても北川景子らしい、潔い言葉が返って来た。

「女性が社会に出て働くのに大切だと思っていることは、やっぱり女だからじゃんって言われるのが悲しいのはもちろんですけれども、言わせない自分でいることっていうのが一番大事。言われるようなことをしなければ良いんです。人一倍頑張るっていうことがやっぱり大切だと思います。
私の仕事は選んでもらってさせていただくので、自分の場合は、タフでいようと奮い立たせるというか、思い込むことが凄い大事と思っています。今いる場所は自分に一番ふさわしいって。それがある意味、暗示かもしれないけれども、常に思い込んでいます。他の人だったらこういう風に出来なかっただろうなって自分で思うことが凄く大事ですし、女性だから男性より劣っていることもないですし。
自分は絶対肩を並べてやっていけると、強気に、思うようにしています。」

やはり、フジテレビドラマ初主演の意気込みからも伝わるように、彼女の言葉は一切ブレない。そしてこう付け加えた。

「ぶりっこしない。出来ない!と言わないこと。
出来ます!と言うこと。やってみます、出来ますということが大切。」

もう、どこまでもハンサムとも言える姿勢だ。