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Vol.39 Special Interview LOVE UNIQUE MASAHIRO HIGASHIDE

Vol.39 Special Interview LOVE UNIQUE MASAHIRO HIGASHIDE

モデル時代、オーディションによって映画『桐島、部活やめるってよ』に出演したのが、俳優東出昌大のはじまり。そんな彼が4年も経たないうちに、こんなにも主演を務める役者になるきっかけになった当時の映画での想いを語ってくれた。

「オーディションを重ねるうちに、結果的に一緒に出た人達とも仲良くなって。映画のロケは、高知県に1ヶ月滞在して撮っていたんですけど、毎晩共演者と色々な話をしました。人生についてとか。その時に、年下の方が多かったんですが、こんなに色々考えて、こんなに尊敬できる面白い連中がいるんだと思って。そこからですね。モデルの仕事から、役者の道に進むことを決めたのは。どうなるかなんて正直わからなかったけど、でもたった1回の人生なんだからという決断でした。」

そして続けて、最初の映画での思い出を振り返った。

「当初は、辛かったです(笑)。もうあの頃には戻りたくないと思います(笑)。これで良いのか悪いのか、当時は本当に分からなかった。お芝居というものも分からないし。芝居の“し”の字も分からない。もう、もの凄く悩んで。でも、映画で結構大きな役をいただけていることも分かりますし。もう十代でもなかったので。映画というものが、もの凄い色んな人達の時間と予算を割いていて、その中でこんな大きな役をやらせていただくということ。“こんな自分が分かってなくて大丈夫なんだろうか?”と、何度も思っていました。映画監督もやって役者もされている前野朋哉さんが1つ上の先輩で、その『桐島、部活やめるってよ』の現場中に、前野さんと夜、公園で、“俺これで良いのか、分かんないんすよ”って言ったら、“多分その混沌としているのも含めて演じる役なんだって、吉田大八監督はきっと捉えていると思うから、それが映っているんじゃないかな”と言われました。正直、“なんだその世界”って思いました(笑)。やっぱり、当時はめちゃくちゃ辛かったですけど、そうやって対極で見ることができたり、もの凄く考えて作られていて、深いものなんだって痛感しました。それで、この1作品だけで、この業界から身を引くのはもったいないって。」

デビュー作を振り返りながら、役者として、演じる人間の世界の凄さを目の当たりにしたからこそ、この世界をもっと見てみたい、もっと向き合ってみたいと思ったのだろう。デビュー当時だけでなく、日々、苦労や混沌とすることはあるようだ。

「僕は、落ち込むところまで落ち込みます。自分で何かきっかけ作って切り抜けようとも思えないですし。落ち込んでいる時は、翌朝起きてもまだ落ち込んだままだし。少し時間が経って、夕方くらいにまた落ち込むし、それの繰り返しですが、でも進むしかないので。そして、家族や友人、マネージャーさんもそうですが、“大丈夫かな?”と言うと、“大丈夫だよ。”と言ってくれるのを支えに寄っかかることもありますからね(笑)。」

Vol.39 Special Interview LOVE UNIQUE MASAHIRO HIGASHIDE

どんな状況であれ、前に進むしかない。苦悩から逃げることなく、果敢に向き合えるほどの俳優の仕事とは、彼にとって何なのか?その醍醐味を率直にぶつけてみた。

「人と一緒に仕事が出来る。ということですね。そして芝居や作品を観て良かったと言ってくださる人がいること。映画や舞台で2時間くらいの、その大切な時間を使って観てくださって、それがお客さんの糧になっていると思うと、それが一番嬉しいです。」

笑顔で語る彼に、さらに役者、東出昌大を作る上で最も重要なことについて質問を矢継ぎ早にしてみると、彼の人柄がよくわかる返答にまた彼の魅力をのぞかせた。

「凄い、あれですね(笑)。大きい質問ばっかりですね(笑)。いやいや、全然お答えします!(笑)。全部、真理みたいなのを突かれているようなので(笑)。そうですね、僕が現場で最も大切にしていることは、“信じること”かなと思っています。自分自身で出来ているつもりにもなってはいけないし、“出来てない、出来てない”と言ってクヨクヨしていても仕様がないですから。マネージャーさんや、現場だと多くは監督ですけど、舞台だと演出家さんだったり。良い、悪いって、やっぱり、良い材料になりたいと思うので、良い悪いって即座に判断して下さる方がいるのだったら、あまり頑固にならずに、まず人を信じるというのを大切にしています。そして、お芝居をしている“この瞬間を信じる”というのも、大事です。お芝居している時に信じる力が薄れて、余計な考えに気をまわすと、集中もしづらいので。“役を信じる”というのもありますしね。僕にとって、演じる現場で最も大切にしていることは、“信じる”という言葉ですね。客観を信じる時ももちろんありますし、自分を信じるしかない、切羽詰まって本当に信じ切ってやって、駄目だった時と自分を信じないで駄目だった時とだったら、自分を信じた時の方が、諦めがつくと思うんです。結果的にも。信じて全力でやったものが悪い結果を招いても、あの時は全力だったからと絶対言えますし。そこからまた学ぶこともあると思うので。その瞬間その瞬間、迷いがあってもやるしかないという時は、やるしかないです。」

人と一緒に仕事をする。人を信じる。そして、自分を信じる。ソフトな語り口調の中にも、役者としての心意気が熱く伝わってくる。どこまでもタフでありながら、柔軟な感性。そんな役者としての原動力を聞いてみた。

「1番の原動力…。人ですね。例えば、こういう監督と仕事がしたいとか、なんだろう、家族や今周りにいる人達も話を聞いてくれたり力になってくれるし、まだお会いしたことのない人も含めてですね。」

無限の可能性を感じさせる東出昌大の心、思考は、インタビューすればするほど、興味を増す。

「僕も常々思うんですけど、震災もありましたし、今後、天災も控えているなどと言われていて、僕の世代は、物心ついた時から不況不況って言われている時代です。でも、今の悩みだけが人生の大きなことではない、まだまだ先に色々あると思うんです。そして人とは、まだまだ底力がある。そう思うんです。」

そう笑顔で彼は言い切った。こんなにも日々、挑戦しつづけている彼だから、この先何があろうとも、人の底力を信じている。それが、東出昌大の無限の可能性を感じさせる大きさなのかもしれない。きっといつか、その可能性が形になるのは、遠い未来ではないはずだ。彼の信じた先にあるもの。そこは観るものをさらに魅了し、きっと希望に満ちあふれているのだろう。

東出昌大 俳優 1988年2月1日生まれ

高校時代に第19回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得しデビュー。パリコレクションにも出演し、モデルとして活躍した後、2012年映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。同作が評価され、菊池宏樹役で第67回「毎日映画コンクール・スポニチグランプリ」、第36回「日本アカデミー賞」など数々の新人賞を受賞した。2013年にはNHK連続テレビ小説に『あまちゃん』、『ごちそうさん』と2作連続出演でさらに人気を博す。2014年4月映画『クローズ EXPLODE』で映画初主演。その後も『アオハライド』『寄生獣』と出演映画が次々と公開。2015年テレビドラマ『問題のあるレストラン』(CX)に出演、今年の大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK)ではヒロインの夫で幕末の志士・久坂玄瑞を熱演。今後の躍進が期待される若手俳優の一人である。

BRAND NEW MOVIE

『GONIN サーガ』
TOHO シネマズ新宿 他 絶賛公開中
出演:東出昌大 桐谷健太 土屋アンナ 柄本佑 安藤政信
監督・脚本:石井 隆
配給:KADOKAWA/ポニーキャニオン
© 2015『GONIN サーガ』制作委員会

1995年に公開、石井隆監督作品の中でも絶大な人気を誇り、バイオレンスアクションの傑作として国内のみならず海外からの評価も未だに高く、ファンの間から長きにわたり続編の制作を希望する声が絶えなかった映画『GONIN』。前作で描かれた暴力団大越組襲撃事件から19年後を舞台に、東出昌大を主演に事件関係者の遺児たちの数奇な運命を描くバイオレンスエンタテインメント作品として新たなサーガ(伝説)が幕を上げた。桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信らがキャストに名を連ね、前シリーズに出演していたものの5年前に俳優引退宣言をした俳優の根津甚八がスクリーンに復活。19年前の事件を追う遺された者たちの血と宿命に彩られた、新たな戦いのストーリー。心揺さぶる作品は今秋大注目の映画だ。