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Special Guest

スペシャルゲスト

Vol.43 Celebrities MASATAKA KUBOTA Crystal Mind

Celebrities MASATAKA KUBOTA Crystal Mind

Photo:Satoshi Miyazawa(D-CORD management) / PhotoManipulator:Satoshi Ozawa, Rika Imai(FIGHT CLUB CO.,LTD)
Hair & Make up:Miki Kasuya / Styling:Yusuke Ooishi(DerGLANZ)
シャツ19,000円AAA (MUSEUM OF YOUR HISTORY 南青山店 03-6418-5094)タンクトップ 5,500円 WACKO MARIA(PARADISE TOKYO 03-5708-5277)パンツ17,000円WACKO MARIA (PARADISE TOKYO 03-5708-5277)ローファー 70,000円Paraboot  (Paraboot青山店 03-5766-6688)

映画『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』の完成試写を観まして、恋愛ものというのもあって、率直にちょっと照れくさかったです(笑)。僕が演じた牧生は、藤ヶ谷太輔君演じる零の為に、自分が正しいと思っていることをただ貫き通しているだけで、人に理解されないだけなんです。みんな自分が正しいと思って、喋ったり行動したりしていると思うんです。

今回、演じる上で、そこを僕が牧生の味方になるというのは、逆に自分の強みに変わっていった部分ではありました。牧生は、“君と僕のどっちが正しいのか?”という、ただそれだけを追い求めているんです。ですので、睨むとか悪い顔をするとか、そういうのは一切無くす努力は僕自身していました。悪い顔をするというより、笑顔でいる方が、その純粋さが逆に怖いというか。純粋に最初から自分の思いというものが屈折しているんです。そして無垢で、知らないところが強さになっている。守るものがない強さ。牧生は、まだ17歳なんですよね。なんだろう?語弊があるかもしれないですけど。自分は、屈折している役を演じる方が好きかもしれないです。この作品は特にそうですね。

この作品は伝説的なコミックが原作ですが、設定が違うので、僕は監督から原作を読まないでほしいと言われていました。漫画ですと、自分の好きなキャスティングとか、自分の好きな声を、その人それぞれ読む方の想像力で作れると思いますが、映像では、もう“こうです!”といった感じで、グレーゾーンというものが、漫画より原作より圧倒的に狭まってしまうところがあります。もう台本にあることを忠実にやることに徹底していました。

過去に、『デスノート』は前から漫画を読んでいて出演させていただいたものもありましたが、極力原作は読まないようにしています。やはり、映画のストーリー性でしたり、話す台詞も変わって来ますので。どの現場でも一緒ですが、台本に寄り添って、今作の牧生のように主張する中での台詞をより大事に演じさせていただきました。今、恋をしている方、これからする方も、こういう恋愛のカタチもあるということが伝わったら嬉しいですね。

デビューして10年。自分が初めての現場が18歳でした。右も左もわからず、どちらかと言うと“かっこ良く映れていれば良いなぁ”と思ってやっていたんです。今の自分からしたら、ぶん殴ってやりたいなって思います(笑)。その時から、あっという間です。振り返るにはまだまだ全然足りないですし、もっともっといろんな作品に出会いたい。今はただ、がむしゃらな気持ちの方が勝っている気が正直しています。自分は本当に良い出会いを凄くさせてもらっています。特にスタッフさんとの出会いも、恵まれていますし、一流の方と一緒にいられる刺激というものと、自分の弱さでしたり、全然足りない力量とか、凄く現場で痛感出来るんです。それでさらに、もっともっとという気持ちになるのは正直です。もちろん、壁に打ち当たることや、気持ちが落ちることもありました。一度だけ、本当にマネージャーに“もう辞めます。”って言ったこともあります(笑)。ガソリンスタンドでバイトをして、仕事して社員になれたらいいなって、思ったこともありました。そんな時にオーディションを受けたら主役で受かったんです。ですから、当時は自分が凄く極めたつもりになっていたんでしょうね、本当に浅はかだったと感じました。

昔はよく言葉にして自分に鞭を打つみたいなことを結構していましたね。“お前、何様だ。”って。時より自分の顔を“おらぁぁ!”って殴ったりしていましたね。今もたまにありますけど(笑)。“甘えてんじゃねぇよ!今仕事があることがどんだけ幸せなんだよ、お前。”って。自分との葛藤というか、そんな中で頂いた役や仕事をそれ以上にして返すことにどんどん熱中していって、また、そこから新しい出会いや再会とかがあって、今があるんですよね。また使って頂けるのは本当に光栄です。役者って、本当に不思議な仕事だと思うんですよね。この原動力?なんでしょう?ものが0からつくりあげられていくのは凄く好きなんですけど、そのつくりあげられるまでの工程に、いろんな人が携わっているっていうことと、見えないものをカタチにしていくというものの面白さが一番ありますね。役者の仕事は、正解がありません。むしろ失敗しかないと思います。自分の手から離れて、人に届いて。また0からつくりあげて。これの繰り返し。撮影では、テストや本番になった時のあの緊張感は、一回味わうとまた気持ちが高ぶれるんですよね。それが凄く楽しいですし、わくわくします。本当に去年か一昨年からか、メディアに出させてもらう機会が多くなりましたけど、でも、どんどん新しい人も出て来ます。

父に昔から言われているのですが、「なめるな、慣れるな、手を抜くな」。良い言葉を言ってもらったって思っていますね。自分は葛藤しかないんです。でも、一つのことを極めるのもすごく良いことだし、いろんなことをやってくのも間違いではないかなと思います。この先がどうなってくかは本当に分かりませんが。以前は、人の為になれる俳優になりたいと言っていたことがあるのですが、今では凄くおこがましいなと思っています。人を支えたいとか、それは人が決めることであって、自分がそうしたい願望は、口にするもんじゃないって、自問自答して。だから、そういう意味で言えば、認められる役者になりたいなとは思います。それで誰かの為になれたら、それはそれですごく良いことですし、一人でも伝わってもらえたら良いなって思います。作品は手を離れたらもう観ていただく方のものなので。

Movie Info

『MARS~ただ、君を愛してる~』

出演:藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)・窪田正孝 飯豊まりえ・山崎紘菜・稲葉友 原作:惣領冬実(『MARS』(講談社「別冊フレンド」刊) 主題歌:Kis-My-Ft2「Gravity」(avex trax) 脚本:大石哲也 監督:耶雲哉治 配給:ショウゲート

2016年6月18日(土)全国ロードショー ©劇場版「MARS~ただ、君を愛してる~」製作委員会

惣領冬実の大ヒット少女コミック「MARS(マース)」を藤ヶ谷太輔と窪田正孝のダブル主演で実写化したテレビドラマの劇場版。学園のスター的存在でありながら、怒ると手がつけられない凶暴性を秘める高校生・零は、心を開かずに生きてきた孤独なキラと海辺で出会い、恋に落ちる。そこへ、零の亡き弟・聖と親友だった牧生が転入してから、彼らの運命は大きく狂いはじめる。藤ヶ谷が零役を、窪田がミステリアスな転校生の牧生役を熱演。牧生の行き過ぎた思いが零とキラ、牧生自身の運命を狂わせていく、3人の運命が絡み合っていく。