Lifestyle ライフスタイル

Omosan SDGs Report
vol.03 LORANS.

Lifestyle

Vol.77

2022.02.16

ここ表参道・渋谷の街における企業やお店が取り組んでいるSDGsはどんなことなのか?まずは知り、一緒に考えてもらえるように、ご紹介する新コーナー「Omosan SDGs Report」。第3弾は、フラワーショップで廃棄されてしまう花の資源化や障がい者雇用などを通じたプロジェクトなど多岐にわたって活動されている「株式会社LORANS.」の代表取締役 福寿満希氏にお話を伺いました。

元々スポーツマネジメントのお仕事をされていた福寿代表。全く業種の異なる“フラワー事業”へ転換したきっかけを伺うと『前職で通勤途中のお花屋さんの前を通る度に、心がリセットされる感覚を何度も体験したんです。お花を沢山の人に届けることができれば、世の中の心の問題を解決することに貢献できるのではないか?と思い、花の事業を始めました。本当に必要なものを本当に必要な人に届けるために何かをするって、ボランティアでしかできないと思っていたのですが、前職で社会貢献活動の企画運営に携わったことをきっかけに仕事を通じて社会貢献ができることを知り、そういう仕事を一生やっていきたいと思い、始めたのが社会的役割を軸とした花屋「LORANS.」です』と教えてくれました。『起業した際は、お花屋さんだからできる社会活動って何か?花屋では日々廃棄の花が出ますが、もしかすると他の業界から見たら廃棄予定の花茎たちはゴミではなくなるんじゃないかと考えて、花の再資源化を企画しました』と置かれている状況の中で自分ができることを常に模索している福寿代表。他にも積極的に取り組まれている障がい者雇用について聞くと『障がい者施設で出会った方を実習生として受け入れたことをきっかけに障がい者雇用を始めたのですが、一つ一つの仕事をこんなに大切にやってくれる人たちがいるということを知って、すごく嬉しかったんです。当事者たちは、体調の変化や複雑な業務が難しかったりはあるんですが、「LORANS.」に出勤できること自体を大切に思ってくれたり、誇りを持って仕事をしてくれている姿などを考えると、障がい者雇用に必要な調整などの大変さはどうでも良くなるくらい雇用の素晴らしさを私が教えてもらいました。今では、花が与えてくれる効果と同じくらい、心がリセットされています』と語ってくれました。『まだまだ社会全体の障がい者雇用に関しては、制限されてしまうことが多いですが、今後もっと自由な選択ができるようになってほしい。社会課題に対しても自己満足にならずに、一番は継続していくこととその仕組みを作っていくことが重要だと思っています』と福寿代表。社会貢献とは一時的なものではなく、継続的な取り組みによってその先で文化になる。社会貢献の仕組みを作り、それを継続することがいかに大事であるか?私たちも小さなことから始めて、継続することを意識してみませんか。

Profile
代表取締役 福寿満希
1989年 石川県生まれ。大学卒業後、スポーツマネジメント会社でプロ野球選手のマネジメントや社会貢献活動の企画運営などを経験。2013年、“花や緑を通じて社会課題に貢献する”を企業理念のもと、「株式会社LORANS.」を起業。花の空間装飾やギフト販売に加え、花の再資源化活動を実施。2016年に、障がい者施設でのフラワーレッスンを通じて出会った障がい当事者を会社の実習生として受け入れたことが契機となり、障がい者雇用を開始。現在65名のスタッフのうち約50名の障がいや難病と向き合うスタッフを雇用。2019年には、東京都国家戦略特区と連携し、障がい者の共同雇用“With Diversity Project”をスタートし、企業同士のパートナーシップで推進する新しい雇用のあり方を提案している。

 

お花を通じた社会貢献から幸せが生まれる。
誰もが自分らしく、咲き誇る社会を目指す「LORANS.」。

花、人、環境が繋がる、“Flower Ring -花の再資源化Project-”。

お花のアレンジメントなどで出てしまう廃棄花や茎の他にも、花屋へ生花を卸す前の物流段階でも廃棄に回ってしまう花がある。「LORANS.」では、“毎日当たり前のように捨ててしまっている廃棄花や茎をどこかで再利用できないか?”、“お花に第二の人生を与えたい!”という想いから廃棄花を“資源花”に変えるプロジェクト、「Flower Ring -花の再資源化Project-」を開始しました。

アレンジメントの度に大量にカットされてしまう廃棄茎。茎には繊維があるということからヒントを得て「紙」の製作にチャレンジし、第一企画として、廃棄予定の“カーネーション”を使った再生紙を作ることに成功したのです。さらに、紙を製作するにあたって花茎をパルプ化する際も、薬品や熱を一切使用せず、水の循環利用で環境に優しい製造方法「無薬品パルプ加工」を活用。現在は、茎の繊維質と柔らかなクリーム色が特徴のカーネーション再生紙を使った「エコ名刺」や「エコはがき」、「お花のスケッチブック」など、廃棄花茎は、第二の人生として新たな価値を生み出しています。


障がい者雇用を当たり前の選択に。
「LORANS.」が取り組む、全国初のプロジェクトとは。

社員の75%が、障がいや難病と向き合いながら働き、積極的な障がい者雇用を行なっている「LORANS.」。2016年から本格的に障がい者雇用を開始した後、2019年には「LORANS.」の自社のノウハウを活かし、障がい者雇用を推進したい企業と、働くことを叶えたい障がい当事者を集約して共同で雇用を生む仕組み「With Diversity Project」を開始。そして、ウィズダイバーシティ有限責任事業組合を設立。同じ目的を持つ企業とパートナーシップを組み、チームとして“障がい者の共同雇用”の推進・実現をさせています。そしてその一環で、障がい当事者が中心となった社会活動を運営できないか?と考えたのが、子どもたちをサポートする活動「お花屋さんのこどもごはん」。貧困や孤食など、家庭事情によりサポートを必要とする子どもたちへ食事とお花を提供するプロジェクトです。依頼元企業からの資金は、子どもたちへの支援だけでなく、活動運営にあたる障がい当事者の報酬や取り組みで得られるやりがいなどの2つの面からも、持続可能な障がい者雇用の形を作り上げています。

「With Diversity Project」とは、複数の企業が一つの組合を作り、役割分担をして障がい者雇用を行っている全国初のプロジェクト。「LORANS.」がゼロから作ったこの仕組みを通して、“障がい者の共同雇用”が当たり前の選択へ、そして必要な存在になることを目指しています。

ひとり親世帯の支援団体などと連携し、ごはんを必要としている子どもたちへごはんとお花を提供している「お花屋さんのこどもごはん」。2021年12月20日時点では、2,196名の子どもたちへ届けています。

※COVID-19の影響により営業時間変更の場合がございます。公式サイト等をご覧になってからのご来店をお薦めいたします。

LORANS. 原宿店

TEL:

03-6434-0607

営業時間:

カフェ 11:30~18:00(L.O. 17:30)
フラワーショップ 11:30~19:00

住所:

渋谷区千駄ヶ谷3-54-15 ベルズ原宿ビル1F

URL:

http://www.lorans.jp

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