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Omosan SDGs Report vol.04 CLOUDY

Lifestyle

Vol.078

2022.04.13

ここ表参道・渋谷の街における企業やお店が取り組んでいるSDGsはどんなことなのか?まずは知り、一緒に考えるためにご紹介するコーナー「Omosan SDGs Report」。第4弾は、自身で立ち上げたNPO法人を通して、アフリカでの教育支援や雇用など多岐にわたって活動されている「CLOUDY」のFounder 銅冶勇人氏にお話を伺いました。

昔からブラックカルチャーに興味があり、大学時代の卒業旅行で“一生に一度しか行かないようなところに行こう”とケニアのマサイ族へホームステイをされた銅冶社長。その後7年間証券会社に勤めながらアフリカの支援活動を行うNPO法人や学校創立などを行われてきました。『アフリカで2番目に大きいスラム街“キベラスラム”で生活をしたことで今の自分のスタートを切れたと思っています。その時の臭い、目に映ってくるもの、生活の条件とか、当時20年ちょっと生きてきて、当たり前のように送っていた人生の中での当たり前がここに全くなくて。この人たちと一緒に、自分が生きてきた当たり前を提供するのに何ができるのか?と思ったのが、その時芽生えた気持ちですね』と今のビジネスを始めたきっかけを教えてくれました。そして、数ある事業の中で何故アパレル事業なのかを聞くと『初めはアフリカで、学校を建設して子どもたちに教育の機会を提供したいと思っていたのですが、仕事にしっかり就けている人たちの割合が非常に少なく、我々の学校を卒業した子でも娼婦になる子が非常に多いんですね。教育よりも、まずは雇用を生むために何だったら彼女たちに提供できるのかと考えて、現地の人間性や文化と雇用を結びつけたときに、しっかりとビジネスとして成り立つと、確固たる自信を生んだのがファッションというマーケットでした』とエゴを押し付けるのではなく、現地の人間性や文化を尊重しながら問題解決に繋げることが大切だと語ってくれました。SDGsについての印象を伺うと『SDGsという言葉だけで一人走りをして、本質が無い世の中になっていないかというのが本音です。結局一人一人が自分ごとになっていないことが大きなハードルになっているので、自分ごとにするような仕組みを作るのがすごく大事ですよね。日本人には世の中を変えられるポテンシャルがあると思っているので“BE A CHANGER,BE A CHALLENGER”という言葉を胸に、〇〇だからと言い訳をせず何か自分にできることはないか、見つけてほしいです』と銅冶社長。小さなことが本当に重要で、まずは身近なところから始めてみること、やりたいことに向けてとりあえず動いてみることが肝要である。そして、人それぞれの捉え方や考え方を表す“ものさし”をお互いに理解し合うことが今の世界に足りていない部分である。このメッセージを胸に、世界で起きていること、身近で問題となっている実態を理解し、今の自分に何ができるのかを考えてみませんか。

Profile
「株式会社DOYA」代表取締役 銅冶勇人
1985年東京生まれ。2008年 慶應義塾大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券株式会社へ入社。2010年 同社所属中に「特定非営利活動法人(NPO)Doooooooo」を創立。2015年に同社を退職、同年「株式会社DOYA」を創立し、アフリカンファブリックを取り扱ったアパレルブランド「CLOUDY」を創設。現在では、他企業と提携しサステナブルなコラボアイテムの販売やガーナ人デザイナーによるオリジナルテキスタイルの提供、日本国内の小中学校や企業での講演、現地アフリカでもの作りのトレーニングや教育セミナーを開くなど啓蒙活動も行っている。

 

BE A CHANGER, BE A CHALLENGER
雇用、教育、健康の3軸を中心としたアフリカへのアクション。

ファッションだからこそできる、
伝統文化を尊重したアフリカの雇用作りとは。

アフリカの女性の就業率は61%。そのほとんどが賃金も評価も低く、その日に稼いだ給料もその日に使ってしまうというのが現状です。そこでアパレルブランド「CLOUDY」は「認定NPO法人Doooooooo」と連携し、教育を受けられない、読み書きができないなどの基本知識の不足、安定した職に就けないという負のサイクルを止めるために、アフリカの伝統文化“アフリカンファブリック”を生かした雇用作りを開始しました。ガーナを拠点とする自社工場では、障害者の方やシングルマザーの女性を雇用し、ジェンダー格差の解消や女性の社会的自立を目指しています。そして自社工場での雇用で、特に大事にしていることが“不便”を追求すること。新しい機械の導入などで効率化を求めると、本来の目的であった“雇用を生む”ことが必要ではなくなってしまう。「CLOUDY」では、敢えて“不便”を追求し続けることで雇用の母数を増やすことに繋げているのです。

ファッションが大好きなアフリカの女性たちが作る「CLOUDY」のアイテムは、アフリカンファブリックならではの色鮮やかなカラーや柄アイテムが勢揃い。バッグインバッグとして柄を取り入れやすい人気商品『Drawstring Bag』(写真左)をはじめ、ポーチやバッグ※を一つ購入すると売り上げの10%がアフリカの女性や障害者を中心とした雇用支援活動費に還元されます。※一部を除く

 

未来を担う子どもたちに夢や笑顔を与えたい、
その想いが全てのアクションに繋がる「CLOUDY」。

世界では10人に1人学校に通えない子どもがいます。そんな子どもたちを少しでも減らそうと「CLOUDY」が行ったのが、「認定NPO法人Doooooooo」を通した「Doooooooo School」の創立です。ガーナとケニアの2カ国で4つの学校を建設し、現在では1,650人もの生徒が在籍。「Doooooooo School」は、子どもたちのためだけではなく、国や自治体を巻き込んで一緒にアクティビティーをしたり、みんなで作って育てる学校を目指しています。そして雇用支援に続き、文房具のセットや学校建設費といった教育に関わる寄付もお客様とファッションを通して行っています。また、本は子どもたちの宝物であるということ。本を読むことにより外の世界を知り、夢がある。「CLOUDY」は、学びの機会の場をもっと子どもたちに作って欲しい、未来を変えるための努力を後押しすることを目的にケニアのスラムにある学校へ2,000冊の絵本を寄付。その後も孤児院や「Doooooooo School」にも多くの本を届けています。

銅冶社長が2012年に立ち上げた「認定NPO法人Doooooooo」。“まず動こう”をコンセプトにガーナを中心とした子どもや女性たちの生活支援など、幅広く活動している団体です。「CLOUDY」と「認定NPO法人Doooooooo」の両方を独自で運営するハイブリット型経営を行うことで、持続可能な循環型ビジネスを実現しています。

基本的な体の仕組みや生理周期、避妊方法などを教える性教育セミナー開講や女の子たちへ布ナプキンを配布するなどのプロジェクトも実施。他にも「CLOUDY」のTシャツを一枚購入するごとに、給食10食分を提供するなど健康を軸とした活動も多岐にわたって行っています。

CLOUDY RAYARD MIYASHITA PARK店

TEL:

03-6450-5110

営業時間:

11:00〜21:00
※COVID-19の影響により営業時間変更の場合がございます。公式サイト等をご覧になってからのご来店をお薦めいたします。

住所:

渋谷区神宮前6-20-10
RAYARD MIYASHITA PARK South2F

URL:

https://cloudy-tokyo.com/

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