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Omosan SDGs Report vol.08 parkERs(パーカーズ)

Lifestyle

Vol.082

2022.12.09

Omosan SDGs Report 第8弾は、あの青山フラワーマーケットを運営する株式会社パーク・コーポレーションの空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」をご紹介。 話題の商業施設や公共施設を“公園のようなここちよい空間”にデザインするアイデアの数々。 彼らが創り出す人と自然を育むデザインと新しい循環とは?クリエイティブディレクターの城本栄治氏にお話を伺いました。

「Living With Flowers Every Day」をコンセプトに、ここ青山から日本はもちろん海外にも展開する青山フラワーマーケットを運営する株式会社パーク・コーポレーション。そのコンセプトの通り、フラワーショップに限らず青山でも大人気のカフェ・青山フラワーマーケット ティーハウスなど、ここちよい空間を提供しています。そんな店舗やオフィスのデザインを手掛けているのが、姉妹ブランド「parkERs」のクリエイティブディレクター城本氏。最初は自社のオフィスや店舗デザイン専門の仕事が、室内緑化を追求していくうちに気づけば他社からのオファーが増加。それがきっかけで、一つのブランドとしてparkERsは誕生しました。「花や緑を提供する僕らの店舗やオフィスのデザインを考える時、ただ植物を置くだけではつまらないと思ったんです。そこから室内緑化の追求がはじまり、いろいろな挑戦をしていきました。気づけば、沢山の企業様からお声がかかり、結果、我々の事業が新たなブランドとしてスタートしました。そして室内緑化をデザインしていくうちに、僕らは“インドアパーク”という考え方に行きついたのです。きっかけは、東京は世界の主要都市に比べて植物の面積が圧倒的に少ないと知り、それならばこの大都市圏に自然を広めて行くには部屋の中に自然を創ったらよいのでは?という発想から、parkERsのフィロソフィーが生まれました。それが、室内で“公園のここちよさ”を提供することです。公園にいると、風が吹いたり、木漏れ日が気持ち良かったり、鳥のさえずりが聞こえたり。そんな中で、親子やいろいろな人達が過ごす風景を眺め、和んだり。公園とは、“風景と人”をセットにしないと成立しないんですよね。木漏れ日に気づき空を見上げると、季節に気づく。人が緑に対して何を感じ、どう変化していくか。そんな公園に行って体験したことを室内でも感じさせたい。それが僕らの一番のテーマなんです」その言葉通り、自宅でリモートワークしていた社員からは、オフィスに出社するとすごく気持ちがいいと言う声が多かったのだそう。この様な体験がきっかけで人は自然との共生の大切さに気づくことが出来るようだ。そして最も注目すべきは、城本氏達のインドアパークの追求が、自然、環境、人へ新たな循環をもたらしていることです。「環境にいいとか、地球のためになるとわかるとつい、それについて深堀りをし過ぎてしまいがちです。もちろんそれはそれで大事ですが、僕らが考えているのは、みんなが欲しいと思ったり、使い始めたりするのが、自然と環境に繋がっていくことなんです。ここちよいと思っていたことが広がり、結果環境のためになる。裾野を広くすることで、変えられることも大事だと思っています」人が創る自然が、自然を守る。常識を超えた城本氏たちの発想と挑戦こそが、地球に必要なエネルギーなのかもしれません。

Profile
parkERs Creative Director 城本 栄治
アパレルやフラワーショップなどのデザインで培ったセンスと経験をもとに、グリーンとインテリアの融合という、新しい分野のデザインに挑む。「人と植物の良い関係をつくりたい」という信念のもと、短期的で即物的なデザインでなく、長期的にコミュニケートできる“世の中に必要”な機能するデザインを常に生み出し続けている。

 

人も植物も育つ空間づくりから、地球と一緒に生きていく未来が見えてくる。

オフィスや店内に、間伐材のウッドチップを敷き詰めたスペースが生み出す、人に自然にいい循環。

青山フラワーマーケット ティーハウス店舗内や、parkERs社内には、ウッドチップが敷き詰められたスペースがあります。まるで森の中を歩いているような、ふわふわとした柔らかな踏み心地に、木の香り。オフィスに居ることを忘れてしまうほどの感覚です。そのウッドチップは、東京の西多摩郡にある檜原村の間伐材から出来たもの。森を守るために間伐された木は角材にされます。その時に出る残りの端材、角材の規格に入らないものがウッドチップになり、城本氏たちのアイデアによって店舗やオフィスに使われることになったのです。床に敷き詰められたウッドチップは、何年か経つと役目を果たした後、山に還りぬかるんだ山道に撒かれ歩きやすい環境づくりに一役買っています。その後、撒かれたウッドチップは大地に戻り、次の樹木が育つ環境へと生まれ変わる。そんな大地で新たに育った樹木は間伐され、ウッドチップになる。このように新たな物理的な循環が生まれています。オフィスや店舗では、効率性を求め不便なことを排除していくと、このようなデザインは決して出来ません。しかし室内で過ごす日常にこそ、五感を感じるようなものが必要であり、それが人への影響だけでなく、自然環境をも育んでいくことになるということは、城本氏達が手がけるデザインが立証しています。まさにインドアパークという発想から、人と自然環境の新たな関係性を生み出しています。

 

原材料は、破棄されゆく素材たち。
アップサイクルな「地球を掘削しない土」を開発。

公園の要素や風景を室内に取り込むために、植物を植え空間づくりをする中で使う土。山の土を切り崩し、室内へ運搬をして植物を植えていることに違和感を感じたことから、parkERsは新しい土を誕生させました。それは、地球を掘削せず、廃棄される素材で出来たアップサイクルな土『parkERs soil(パーカーズソイル)』。原材料は、ココナッツ果実の殻を砕いたココヤシピート、 コーヒーの豆かす、ヤシの外皮、竹炭と、使い道がなく廃棄される資源のもの。なんと一般的な土の約1/6の重さなので軽く、運びやすいのも特徴です。また衛生的で、植物の育成環境を良好にしてくれる効果もあるのだそう。違和感や疑問から始まり、専門分野の知恵を融合して誕生した付加価値のある土。都市生活に自然を育み、森や山里が元気になる仕組みは、新しいアップサイクルな土からも始まっています。こちらは青山フラワーマーケット オンラインショップでも購入が可能です。

 

仕事のオンとオフをあえてつくりだす、壁面緑化と一体となったアクアポニックス。

parkERsのオフィスの真ん中には、天井から水滴が落ちる水たまりがあったり、壁面緑化と一体になったアクアポニックスの仕組みを応用した什器でメダカを育てたり、様々な試みがされています。特に、緑もメダカも育むオリジナル什器は、仕事への欠かせない効果もあるのだそう。それは、オンとオフ。仕事の合間に、仕事から一瞬意識を外すことが大事で、疲れたと思って目線を外すと緑や花があったり、水の音にふと意識が行ったりする。そうした思考をオフにする瞬間が体を調律するようなことに繋がると城本氏は言います。ここちよい瞬間や気づきが日々あることで、仕事のコミュニケーションを潤滑にしたり、脳や体の一呼吸になるのだそう。記憶の中の原風景のような空間づくりは、これからのビジネスシーンに重要な役割を担うのかもしれません。

 

parkERs

Instagram : parkers_official

TEL:

03-6721-0091

住所:

港区南青山3-1-7 青山コンパルビル 3F

URL:

https://www.park-ers.com/

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