ライフスタイル
Omosan SDGs Report vol.10 公益社団法人 日本アロマ環境協会
Lifestyle
Vol.084
2023.04.11
今年2月に誕生した、“神宮前の小さな森”。Omosan SDGs Report 第10弾は、アロマの魅力を五感で体験できる「AEAJグリーンテラス」をオープンした、世界最大規模のアロマテラピー団体、公益社団法人 日本アロマ環境協会 (AEAJ)。アロマテラピーの普及と、アロマ環境の創造と発展に取り組む、AEAJ 理事長の熊谷千津さんにアロマを通して、人に地球環境に嬉しいお話を伺いました。
アロマテラピー検定受験者数は累計53万人を超え、会員数は約5万人と、ヨーロッパで誕生したアロマテラピーは、今では日本独自の発展を遂げ、私たちの日常には欠かせない存在となっています。その普及活動をし続ける熊谷千津理事長は、今年2月に誕生した「AEAJグリーンテラス」から、アロマで世界中の人を、そして地球も笑顔にしていきたいとお話ししてくれました。「アロマというと精油ビンのイメージがあると思いますが、ビンの中に入っている精油は、植物から採れている、つまり精油は自然そのものなんです。例えば、この建物に使われているヒノキからも精油が採れます。私たちは本当に多くの植物の恩恵を受けています。貴重な自然の恵みを私たちは使っているということ、そして、アロマの効果をAEAJグリーンテラスで感じていただけたらと思っています。また原宿は、明治神宮の杜や代々木公園、表参道の欅並木など、都心でありながら本当に緑豊かなエリア。歴史と新旧の文化が発信される特別な場所でもあるからこそ、私たちの想いが伝わるのではないかと、この地にこだわりました」そう語る熊谷理事長の想いは、建築家 隈研吾氏と共に目指したサステイナブルな建築と、ここで体験出来るものすべてに宿っています。「この建物は“森を作る”をコンセプトにしています。実際の森のように植林することはできなくても、森の心地よさを再現できればと計画を進めました。そして、木質化によるCO2の削減と貯留、生物多様性・環境への配慮も行っています。精油ビンの中には植物があり、それらを利用するだけでなく植物や自然、その先には地球環境を保全していこうというメッセージも発信していきたいと思っています。アロマは、主に大脳辺縁系を刺激して、免疫、自律神経、内分泌に働きかけてくれる、私たちの心身の健康には欠かせないもの。お薬が出来るずっと昔から人間は植物と共にありましたし、人間は自然の一部ですからね。次世代に繋いでいきたいです」と笑顔で語る熊谷さん。地球で生きる、私たち人間や植物、生き物全ての共存のために。このニュースポットでは、心身共に気持ちよくアクションを起こせそうです。
Profile
公益社団法人 日本アロマ環境協会 理事長 熊谷千津
公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)理事長。アロマサイエンス研究所所長。博士(農学)。薬剤師。長年、ホスピスでアロマセラピストとして実践を続けながら、アロマテラピーの研究に取り組み、博士号を取得。エビデンスに基づくアロマテラピーの研究と実践、情報発信を続けている。
隈研吾氏と共に築いた “神宮前の小さな森”。
そこはアロマを通して集う人々の健康と地球環境の保全を目指した、アロマ体験施設「AEAJグリーンテラス」。
目指したのは「都会の真ん中に“森を作る”」こと。
国産ヒノキを使った、建築家 隈研吾氏によるデザインは、CO2削減も目標に!
エントランスに入ると、誰もが口に出すほど癒される木の心地よい香り。国産のヒノキを使った組積構造が見事な空間は、建築家 隈研吾氏によるもの。原宿という都会の真ん中に“森を作る”ことに挑戦してみたかったという想いのもと、AEAJグリーンテラスは造られました。森にいる時に感じる心地よさ、そして森の環境への役割、そこに留意したこだわりが詰まっています。例えば、木材はCO2を固定する性質を持っているので、地球の環境を良くする可能性があるということから、出来るだけ多くの木材を使用されたのだそう。さらに運搬時にCO2排出を最小限にできるよう、あえて近隣の東海4県の国産木材を選び、住宅建築に多く使われ流通する角材を使用。まるで建物そのものが自然を育むかのようです。都会の真ん中という場所だからこそ、木や植物の香り、陽の光、風を五感で感じると、私たち人間も自然の一部であることを改めて気づかせてくれるのかもしれません。
精油の原料植物をはじめ、日本に根付く様々な植物でお出迎え。
生物多様性に配慮した「アロマコリドー」は、人と自然、地球を繋ぐ道。
アロマは香りのある植物から採れるものですが、ビンに入っているとその植物の姿をイメージしにくいもの。AEAJグリーンテラス敷地内のエントランスに続く小道は、ラベンダーやローズなどの精油の原料植物が植栽された「アロマコリドー」となっており、原料植物の香りそのものを楽しむことができます。またここでは、日本に古くから自生している植物や芳香植物も植えられ、その数、計43種(3月現在)。まさに四季折々の生物多様性を感じられるエリア。世界中の植物が仲良く生息するアロマコリドーでは、自然本来の美しさやその香りに癒されるはずです。さらに館内の「アロマラボラトリー」では、最大約300種類にわたる、世界中の精油がずらり。どれから試していいか迷ってしまうほどです。数ある精油について詳しく知りたい場合は、備え付けのタブレットで検索が可能。一部試香紙で持ち帰ることもできるので、その日のコンディションにピンとくる香りなど、お気に入りを確かめやすいのも嬉しいサービスです。
精油にまつわることから、地球保全の取り組みにチャレンジ。
不要になった空きビンをリサイクル原料に活用!「精油ビン回収ボックス」。
館内には、不要になった精油の空きビンをリサイクルできる回収ボックスが設置されています。こちらは、入館料は必要なく誰もが気軽に持ち込めるので大変便利。アロマを愛する人たちが、使い終わった精油ビンを最後まで循環させられる嬉しいシステムです。 AEAJグリーンテラスの外壁には、2019年から回収された精油ビンが再利用されており、青や茶色の小さな輝きを放ち建物の一部に生まれ変わっています。また来館予約1件につき、季節に合わせたAEAJオリジナルボタニカルティーを楽しめます。館内で飲む場合は、マイボトルの推奨を行っているのでお忘れなく。アロマを通して、気持ちのいいアクションが、環境にやさしい暮らしに変わる。ここでは、そんなハッピーサイクルが生まれています。
AEAJグリーンテラス(公益社団法人 日本アロマ環境協会拠点施設)
利用料金:一般 500 円 、AEAJ 会員・18 歳未満・障がい者手帳をお持ちの方 無料
- 営業時間:
火~土 13:00 ~18:00 日・月・祝 定休
- 住所:
渋谷区神宮前6-34-24
- URL: