TOPエンターテイメントOmosan Angle vol.17 小林 悟

Omosan Angle

オモサンアングル -フォトコラム-

オモサンエリアで活躍する
クリエイターのフォトコラムを紹介します。

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表参道が他の町を圧倒して魅力を放っているところ、それは美しい街並とお洒落な人々、そして上質でユニークな店の数々だ。
私がこの街に初めて通うようになったのは、今から45年前の高校一年生の頃、その頃は神宮前と青山一帯は新進気鋭のカメラマン、デザイナー達が集まるクリーエーターの街で、そのせいもあってモデルがよく並木通りを行き交っていた。私は14歳の時あることがきっかけで、生涯で一度は必ずモデル事務所を作ると決めていたので、モデルの似合うこの通りには学校帰りよく立ち寄っていた。

当時表参道にはまだほとんど店も無く、人影のまばらなこの道のベンチに腰掛けていると時折、並木の間を颯爽と歩くモデルの姿が目に飛び込んでくる。その格好よさと周りの街並の美しさに心を奪われていつしか自分が会社を作る時は、必ずこの通り沿いでと決めていた。

それから10年程して26歳の時、私はインターナショナルモデルエージェンシーSATORU JAPANを設立した。1970年の終わりから80年代の日本は好景気の真っ只中で、ファッション業界も活気で溢れていた。
そんな中、外国人モデルの活躍は、日本のファッションが世界に進出する象徴のようなものでもあった。SATORUからも後に世界のスーパーモデルとして活躍したシンディ クロフォード、カレン エルソン、チャンドラノース、日本人ではSHIHO等、多くのスターモデルがこの街で生まれ育った。

あれから月日が流れて、今日多くの店が立ち並び、多勢の人々が集まるようになって街は別な顔へと変貌を遂げている。
しかし私の心の中にある表参道への気持ちはずっと変わらない。
若かったあの頃、私はこの街の美しさに魅かれて夢を実現させる場所としてこの街を選んだ。今もそしてこれからも、私と同じ気持ちでこの街を選ぶ人達は多くいることだろう。

そんな人達に一つ気に掛けて欲しいことがある。
それは常に新しさを求めながらも単に時代に迎合するのではなく、街の景観を表参道ブランドとして更に輝かせて欲しいということ。
それはこの街は、美しい並木道とお洒落な人々と上質の店々がある風景が他の街よりずっと魅力的であって欲しいと願っているから。

写真は、SATORUの売れっ子モデルASUKAに当時の雰囲気を少しでもイメージしていただければと撮ったものです。もちろん当時の街並は店も無く、もっとずっと素朴な感じだったのですが?。

写真・文/小林 悟

小林 悟

インターナショナル・モデルエージェンシー SATORU JAPAN INC. 代表取締役

1951年5月15日 東京生まれ。26歳で"SATORU MODEL MANAGEMENT"を設立、以来シンディー・クロフォード、カレン・エルソン等、多くのスーパーモデルのマネジメント業務に携わる。その後、日本人モデル部門と統一し現在の社名"SATORU JAPAN"として、SHIHOをはじめ、多くの日本人のスターモデルも育てている。
また独自の美人哲学で開設された「美人塾」は今年15周年を迎え、それにまつわる出版書籍「美人塾」「いい女の条件」は累計20万部のヒットを飛ばしている。

http://www.satorujapan.co.jp/